0.04%アトロピン vs オルソケラトロジー 最新の論文を読んでみよう

原文:Orthokeratology, 0.04% Atropine, and 0.01% Atropine for Myopia Control: A Randomized Clinical Trial

要約

 この研究では、8-15歳の中等度近視の子ども209人を対象に、0.04%アトロピン、0.01%アトロピン、オルソケラトロジーの3群で2年間にわたる近視進行抑制効果と安全性を比較した研究です。

結果はなんと、0.04%アトロピンが最も有効であり、オルソおよび0.01%アトロピンよりも有意に効果的でした。全ての治療法で安全性に問題ありませんでした。

0.04%アトロピンではまぶしさの発症率が高い(22.9%)ことが示されました。

私の見解

眼軸伸長抑制の観点から、0.04%アトロピンが他の2治療法よりも優れていることが明確に示されました。

ただし、0.04%アトロピンではまぶしさの副作用が約5人に1人の割合で報告されております。
生活に支障をきたさない程度でしたら続けても問題はありません。
まぶしくて生活が辛いようなら濃度を落とすことをためらわないようにしたいですね。

一方、0.01%アトロピンとオルソは眼軸伸長抑制効果に今回有意差は見られませんでした。
オルソはやや既報より結果が下振れました。
209人とサイズが小さい研究ですのでそういったこともあるでしょう。

副作用はどの治療も少なく、安全性が再確認され嬉しい限りです。

0.05%が難しければ0.04%と段階的に下げてみましょう

年齢や初期屈折値が近視進行に影響することもこの研究で示されました。
10歳未満で近視が出現したら早期治療が重要であることが再確認されました。

当院では最高で0.05%濃度のアトロピン点眼を処方しております。
アトロピン点眼治療をする上で患者様が濃度を柔軟に選べるようにすべき
ということを改めて実感しました。

当院調整アトロピンの最大の強みがそこにありますね。

今後さらに濃度を細かくわけてお渡しできるようにしようと思っております。
ご希望のかたはデジスマのメッセージで「0.04%を希望」と申し出てください。
お値段は0.05%と変わらない扱いにはなってしまうと思われます。

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